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1.雇用・労働・WLB施策

1.就労支援体制の充実・強化について

 大阪版地域雇用戦略会議と位置づけた大阪雇用対策会議(※1)の雇用創出・確保推進委員会の下に設置された調査研究部会の研究・検証結果を踏まえ、「新しごと館(仮称)」(※2)等における関係機関と連携し、雇用労働施策の充実をはかること。また、平成25年9月からスタートする「ハローワークとの一体的実施」(※3)により、特に若者と中小企業のマッチング支援施策を充実させ、成果を挙げること。

2.基金事業の終了と総括について

 平成25年度まで延長された重点分野雇用創出事業を総括し事業終了後の雇用者について現状把握し、雇用の拡大に繋がっているかを検証すること。また、起業支援型雇用創造事業(※4)については、地域に根ざした事業支援と雇用の受け皿を創出すること。

3.産業政策と一体となった人材育成について

 平成24年2月に策定した大阪産業人材育成戦略(※5)が中間年度を迎える。数値目標を設定しているアクションプランについて検証し、着実なフォローアップを行うこと。

4.最低賃金の引上げと法遵守について

 大阪の最低賃金は政労使合意の全国最低800円に到達したが、全国平均1,000円に到達できるよう中小企業への支援施策を関係機関と連携し強化をはかること。また、ワーキングプア(働く貧困層)が社会問題となっていることから、国や労働局に対し、健康で文化的な最低限度の生活を保障しうる金額水準まで引き上げる意見書等の採択を検討されること。一方、最低賃金を下回る企業求人が見受けられることから、法違反に対する罰則規定等についても労働局と連携をはかり事業所へ周知すること。

5.地域就労支援事業の強化について

 就職困難層に対する地域就労支援事業(※6)について、市町村の事業実績を検証し「大阪府・市町村就労支援事業推進協議会」に設置された部会において、好事例を参考に事業を推進すること。また、相談対応等について事例集を作成し、効果的に支援できる制度となるよう努めること。

6.生活困窮者支援の充実・強化について

 生活困窮者対策(※7)について、平成24年度で終了した各市のパーソナル・サポートモデル事業(※8)を十分検証し、新たに平成25年度中に検討される、中間的就労にむけた国の「生活困窮者自立促進支援モデル事業」(※9)に対応するよう、市町村を支援すること。

7.メンタルヘルスやハラスメントの相談機能強化について

 連合大阪や大阪府総合労働事務所、大阪労働局に寄せられる労働相談において、相談件数は減少傾向にあるが、近年「職場のいじめ・嫌がらせ」に関するハラスメント相談が増加している。また、職場におけるメンタルヘルスの問題も増加していることから、早期発見にむけた啓発活動と相談機能を強化するとともに、大阪労働局と連携し、マニュアル・ガイドライン等による啓発活動を強化すること。

8.仕事と生活の調和推進にむけて

 女性の雇用状況において、特に大阪は、出産・子育て期に低下するM字カーブ(※10)の谷が全国平均より深いが、就業希望者は全国平均より高くなっている。連合が実施した「マタニティ・ハラスメント」(※11)の調査からも、働きながらの子育てを希望している在職者が8割近くを占めることから、大阪府で取り組んでいる「男女いきいき・元気宣言」(※12)登録事業者を増やす取り組みを強化すること。また、労働局と連携し「くるみん」マーク(※13)の認定について企業へ周知すること。

(※1) 大阪雇用対策会議
大阪府、大阪労働局、近畿経済産業局、大阪市、堺市、関西経済連合会、大阪商工会議所、連合大阪の8者で構成し、大阪府域における雇用創出・確保と雇用失業情勢の改善を目的に、オール大阪で雇用対策に取り組み、国の緊急雇用対策に盛り込まれた「地域雇用戦略会議」に位置付けている。
(※2) 新しごと館(仮称)
就労支援機関としてエル・おおさか内に設置している「OSAKAしごと館」のセーフティネット機能を強化し、若者と中小企業支援の強化を図るため、本年9月より「新しごと館」としてリニューアルする。
(※3) ハローワークとの一体的実施
ハローワークの持つ職業紹介機能と大阪府の就労支援機能とを一体的に行う取り組み。
(※4) 起業支援型雇用創造事業
地域の産業・雇用振興策に沿って、起業後10年以内の民間企業等を委託先とし、地域に根ざした雇用創出に資する事業を実施することにより、雇用の場を確保する事業。
(※5) 大阪産業人材育成戦略
産業振興と一体となった人材育成・確保を推進していくため、「大阪府職業能力開発計画」を発展させたもの。この戦略は、世界をリードする大阪産業の持続的発展を支えるための人材育成・確保と、誰もが能力を発揮し安定就労を目指すことができる人材育成を進めるべく、今後の施策の方向性と実現のための方策を明らかにしている。
(※6) 地域就労支援事業
各市町村が地域にある様々な支援機関と連携し、働く意欲がありながら雇用や就労を実現できない方々(中途退学者や卒業後も未就職にある若年者、障がい者、母子家庭の母親、中高年齢者等)を支援する事業。
(※7) 生活困窮者対策
生活保護受給者等の増加を踏まえ、生活保護に至る可能性がある経済的困窮者を対象に支援を行い、その自立促進をはかろうとするもの。
(※8) パーソナル・サポートモデル事業
内閣府・厚生労働省が実施する、新たな生活・就労支援システム「パーソナル・サポート・サービス」のモデル事業として実施するもの。生活や就労に関して、困難な課題や複合的な阻害要因を抱え、自立・就労が困難な方を個別ニーズに沿って、継続的、制度横断的に雇用・居住・生活面の支援を提供する事業。
(※9) 生活困窮者自立促進支援モデル事業
国の平成25年度予算において、新たな生活困窮者支援制度の構築にむけ、地域における支援体制を計画的に整備し、平成27年度の本格施行にむけた制度設計に反映させていくために実施する事業。
(※10) 女性年齢階級別労働力率:M字カーブ
女性労働者の働き方をグラフに表すと、30歳代が就業していないためM字型曲線を描く。
(※11) マタニティ・ハラスメント
働く女性が妊娠・出産を理由とした解雇・雇止めをされることや、妊娠・出産にあたって職場で受ける精神的・肉体的ないじめ・嫌がらせのこと。
(※12) 男女いきいき・元気宣言
「女性の能力活用」や「仕事と家庭の両立支援」など、男女ともにいきいきと働くことができる取り組みを進める事業者を、大阪府が「男女いきいき・元気宣言」事業者として応援している。
(※13)くるみんマーク
企業が行動計画に定めた目標を達成するなど一定の要件を満たした場合、労働局へ申請することによって、次世代に基づく「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣(都道府県労働局長へ委任)の認定を受けることができ(くるみんマークの認定)、認定された企業には、税制優遇制度がある。