「平和 幸せ 道ひらく」
〜ともに変えよう 社会を新たなステージへ〜
連合大阪は、社会経済が大きく変化する中、コロナ禍での経験を生かし、すべての働く仲間にとって「必ずそばにいる存在」として、私たちの運動も不断の変革をはかっていく。
第 35・36 年度は、中長期にわたる構造的な課題を踏まえ、新たな労働運動の構築と社会経済のステージの転換に向けた運動推進の 2 年とする。
連合ビジョンで掲げた「働く仲間一人ひとりをまもる」「働く仲間・地域社会をつなぐ」「社 会・経済の新たな活力を創り出す」を基軸に、連合大阪における課題認識として、『5つの重 点取り組みと基盤強化の視点』を基軸に運動を展開する。
第 35・36 年度(2024〜2025年)の運動スローガンは、日々変化する新しい情勢を的確にとらえ、未来への視点を見誤ることなく、新しい運動を創造していく決意が確認された結成時の思いへ原点回帰し、『「平和 幸せ 道ひらく」〜ともに変えよう 社会を新たなステージへ〜 』とする。
「組織拡大プラン 2030」の実現に向けては、連合・近畿ブロックのオルガナイザーおよび構成組織との帯同オルグ等で連携をはかり、2025 年までの目標再設定(72 組織・74,977 人)の必達に向け行動計画を着実に推進する。
構成組織*地域協議会・地区協議会とは、定期的な組織拡大委員会等を通じて組織内コミュニケーションを充実させ、経営者団体へのオルグや社会対話等を拡充し、中小・地場企業の組織化に向けた足がかりを整備する。
組織運営・強化に向けて、オンライン等のデジタル活用とともに、リアルならではの臨場感をもった集会・デモ・合宿といった参加型活動のコミュニケーションも充実させ、目的に応じた取り組みで組織強化へつなげる。
「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けた大阪府・府域自治体への「政策・制度要求」は、連合組合員の声や現場を知る構成組織*地域協議会会・地区協議会の組合員ならではの視点を大切に、政策委員会や政策・政治フォーラム会員(推薦議員)、NPO等と連携をはかり、政策・制度要求を策定する。
大阪の固有課題については、「大阪の将来に向けた有識者会議」での提言や「未来の大阪の生活と政治を考える大阪府民アンケート」結果を参考に、わかりやすく政策課題を提起するとともに、SNS等を通じて情報発信力の強化に努める。
また、2025 年開催の大阪・関西万博については、官民一体となった協力体制の構築と機運醸成が不可欠である。「2024 年問題」における建設・物流・運輸業界等の労働者確保や安全衛生、外国人労働者との共生課題なども含め、関係団体と連携し、安心・安全の対応強化を求める。
第 20 回統一地方選挙では、維新公認の首長が府域で 21 市町村となり、政党に属する府域首長では、二元代表制がもつチェック機能の低下が懸念されている。連合も支援政党が分かれる中、大阪の社会をよくする政治の実現に向け、民意を反映させた運動の構築が求められており、各級選挙の総括を踏まえ、連合組織一体での支援体制となる環境整備を進めるとともに、政治センター幹事会等で議論を深める。
第 50 回衆議院選挙や自治体中間選挙を控え、支援政党の支持率が低迷する中、「人物重視・候補者本位」の推薦を基本に、各級議員の評価と推薦基準の豊富化に取り組む。また、推薦議員の拡大に向けては、得票結果をもとに様々なデータ分析を行い、構成組織からの積極的な擁立とともに、政党と連携した政治スクール開講等で予定候補者の発掘に取り組む。
2023 春季生活闘争では、連合が賃上げに改めて取り組んだ 2014 年以降では最も高く、ほぼ 30年ぶりとなる水準の賃上げが実現した。一方、足元の物価上昇は賃金の伸びを上回っており、物価を加味した実質賃金はマイナスのため、2024 春闘でも「未来づくり春闘」を掲げ、「人への投資」を積極的に推進できるよう各種キャンペーンや街頭行動で世論喚起・機運の醸成に努める。
経済団体や経営者協会との社会対話を進め、春闘の社会性を高めるとともに、中小企業の持続的な発展と地域活性化に向け、「連合大阪プラットフォーム」づくりを展開する。今後も働きの価値に見合った賃金水準の確保に向けて、最低賃金の引き上げ等によって企業規模間、雇用形態間、男女間の格差是正に取り組む。
性別、国籍、年齢、障がいの有無、就労形態、育児・介護などの家族的責任などの事情にかかわらず、誰もがやりがいを持って活躍できる職場・社会環境の整備に取り組む。また、働く場での多様性の尊重をはじめ、あらゆるハラスメントの根絶や両立支援制度の拡充に努めるとともに、ジェンダー主流化の実現をめざす。
「連合大阪ジェンダー平等推進計画」の最終年に向けて、女性参画 30%達成プロジェクトを加速させ、組織間や役員間で連携した場づくりで女性参画の取り組みを強化する。
5つの重点取り組みの推進に向けて、人材の育成と確保、デジタル発信力の強化、さらには効率的かつ効果的な財政基盤の整備、構成組織・地域・地区協議会との連携強化による組織内コミュニケーションの充実と地域コア活動を積極的に推進する。
連合の 2030 年・800 万組織を目標とした『連合組織拡大プラン 2030』の実現に向け、「60 万連合大阪」への取り組みを推進する。地方連合会オルガナイザーを中心に、構成組織・地域・地区協議会が連携しながら、具体的な計画を立てて取り組む。
すべての働く仲間を守り、つなぐための集団的労使関係の追及と、社会に広がりのある運動を推進する。
連合大阪と構成組織および地域協議会が一体となった活動を展開するために、日常的なコミュニケーションの充実をはかる。
地域協議会の活動については、持続可能な連合運動に向けて「全国で統一的に取り組む 2 つのコア活動(①連合組織内の連携を強化するための活動、②地域で働くすべての仲間を支えるための活動)」と「各地域の特色を活かした活動」に取り組む。
行政や経営者団体との社会対話を通じ、雇用の維持・確保など雇用政策の強化に取り組むとともに、社会的に弱い立場で働く者へのセーフティネットの改善・強化と「すべての労働者の立場に立った働き方の実現」をめざした運動を展開する。また、「連合大阪労働安全衛生センター」の活動を中心に、職場の労働安全衛生活動を推進する。
春季生活闘争での規模間格差是正の取り組みを中心とした中小労組支援を強化し、中小労組での処遇や労働環境の改善、中小企業の経営環境の改善などに取り組む。また、地域協議会を中心に自治体や経営者団体など、地域のステークホルダーとの連携を基盤としたプラットフォームづくりを推進するとともに、中小企業支援を通じた地域の活性化をめざす。
組織化されていない労働者・曖昧な雇用・外国人労働者など、多様な環境で働く仲間に対して社会的発信力を高め、「真の多様性」の実現に向けた運動に取り組む。
『職場から始めよう運動』を促進し、あらゆる格差解消など、多様な働く仲間の課題解決について周知するとともに、「すべての働く人の処遇改善」に向けた「フェアワーク」の推進に取り組む。
「連合大阪ジェンダー平等推進計画」の目標達成に向け、誰もが多様性を認め合い、互いに支え合うことのできる職場・社会の実現のため、社会的・文化的につくられた性差にもとづく偏見・差別を解消し、性的指向・性自認(SOGI*)を尊重するとともに、性別に関わりなく働くうえでの格差や不条理を是正しジェンダー主流化の推進に取り組む。
雇用の確保、働き方改革への対応、社会保障の充実など、社会的包摂をめざした政策実現機能の強化をはかり、地域・地区協議会と連携して大阪府をはじめとする各自治体への政策・制度予算要請を行う。また、大阪・関西万博や副首都ビジョン、スーパーシティ構想、大阪のまちづくりグランドデザインなど、大阪の将来設計に対し見識を深め、労働者・生活者目線での課題整理に取り組む。
すべての働く者・生活者のための政治勢力を拡大し、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、連合・連合大阪が掲げる政策・制度実現のための政治活動を推進する。
第 50 回衆議院議員選挙・第 27 回参議院議員選挙(2025 年)や各級選挙で、推薦首長・議員の拡大をめざす。
政治活動および選挙活動は、学習会などを実施し、公職選挙法などを踏まえた法令遵守を徹底していく。また、投票の重要性を訴え、棄権防止や期日前投票活用など「投票に行こう」運動を推進する。
労働組合の社会的責任を果たす「社会運動団体」として、社会的発信力の強化に向けた大衆行動、気候変動に伴う自然災害時の復興支援等に向けた「愛のカンパ(募金)活動」や恒久平和を訴える行動、反差別を訴える人権擁護などについて、連携団体やNGO・NPOとともに連携し、取り組みを進める。また、支え合い・助け合い運動等も、志を同じくする仲間と結集し、ネットワーク型運動を推進する。
世界各地で起きている紛争やテロ、一般市民への弾圧や人種差別、児童労働などに対し、NGOや構成組織と連携して問題解決に向けた支援を行う。また、アジアローカルセンター会議は、現在の国際情勢に鑑みながら、再開に向けて検討する。
コロナ禍でオンライン会議が普及したが、労働組合が培い、誇りにしてきた対話型コミュニケーションを大切に、丁寧な合意形成をはかるため、会議・委員会等のあり方に関する運営基準を構築する。また、迅速かつ均一に情報を展開するため、情報共有ツールの改修や、オンライン会議システムの活用によるフォローアップを促進する。
機関紙を中心としたアナログ発信力の維持・効率化と、SNS等を中心としたデジタル発信力の強化を推進し、バランスの取れた広報活動に取り組む。また、マスコミとの連携を強化し、連合大阪の取り組みを広く社会に発信する。
「連合大阪教育指針」に基づき、人材育成と労働教育について、テーマ・体系・対象者に応じた具体的なアクションプランの充実をはかる。また、連合本部をはじめ、関係機関や講師団とも連携をはかり、専門的な知見を深めることのできる研修・講師等の紹介、サポート体制の充実をはかる。さらに働きやすい職場環境と自らを守るためのワークルール検定の安定的な運営に向けて、オンライン検定の円滑な導入に取り組む。
連合本部中央会費制度実行プランへの移行(2026 年 1 月〜)に向けた準備期間として、会計関連規約・規則・規程等(会計期)の見直しを行うとともに、財政シミュレーションによる安定した財政基盤の確立をはかる。また、連合大阪および地域協議会における「内部統制」を推進し、会計の透明性と信頼性を確保する。会計業務の効率化等は、電子帳簿保存法への対応も含め、クラウド型経費精算システムを導入する。引き続き、「連合大阪組織運営PT」の最終報告を指針とし、財政の健全化に取り組む。