本年5月に公表された商工労働部部局運営方針の「重点政策推進方針」の「テーマ1 成長産業の振興」の「めざす方向」に記載されている「大阪産業における雇用機会の拡大を図るため、雇用の創出・確保の効果が期待できる成長産業の育成や内外企業の立地促進」について、具体的な取組みを示すこと。
大阪府では、2002年からの10年連続で転出企業数が転入を上回っており、売上高合計でもマイナスが見られ、雇用や税収面に少なからず影響を与えている。引き続き、大阪経済の再生に向け、関西広域連合とも連携し、関西全体の産業・企業誘致策を図ること。併せて、国の指定を受けた「関西イノベーション国際戦略総合特区」(※7)について、成長産業振興の取り組みに一層の支援強化を図ること。
アジアと関西を結ぶ中継都市(阪神港・関西国際空港)のインフラを活用して、観光・物流のハブ化に向け、機能強化を図ること。また、他府県や海外への大阪産業のPRや支援施策を講じること。
外国人観光客増加の取り組み強化に向け、通訳や施設の案内などの多言語表記、ICT(※8)を活用した多言語情報の提供等、ハード面の整備を進めるとともに、通訳案内士の養成等多言語人材の育成を推進するなど、観光産業の活性化を図ること。
第1次産業の活性化による地域振興や雇用の創出を図るため、農山漁村の有する資源を活用した地域ビジネスを展開する6次産業化(※9)の推進を強化すること。
大阪府域の地域経済活性化に向けて、産官学金労が連携し、将来市場が見込める医療やエネルギー分野と中小企業のマッチング施策の充実を図るとともに、これまでの成果についても発信されること。
中小企業への積極的な支援施策として、「ものづくりB2Bネットワーク(※10)」機能をさらに充実させ、販路開拓に繋げること。
大阪府では「大阪の元気!ものづくり企業」を毎年発行しているが、今後も引き続き、大阪のものづくり中小企業を代表する「看板企業」を広く紹介し、積極的な支援を行うこと。
国内の需要停滞、アジア新興国の市場拡大、取引先の海外移転が進む中、製造業・卸売業を中心に中小企業でも地域雇用の維持・創出を図る観点から海外展開が拡大傾向にある。さらなる成長を目指し頑張る中小・地場企業を力強くサポートするために、本年度創設した金融機関提案型融資について、利用者の視点で迅速かつ使いやすい融資制度に整備し、数多くある応援資金メニューを広く周知徹底すること。
公正な入札制度の確立に向けて、府政運営を福祉の視点(行政の福祉化)から点検した総合評価入札制度を導入していない市町村が、まだ半数以上ある。早期に拡充できるよう府の指導性を発揮すること。また、市町村に広がりを見せている公契約条例ならびに公共サービス基本条例の制定に向けた取り組みを推進すること。
下請かけこみ寺(※11)の相談件数は昨年では減少しているものの、業種別に見ると、製造業・建設業が全体の半数を占めていることから、引き続き、中小企業との公正取引の確立に向けて、下請二法や下請ガイドライン等の周知徹底、下請取引適正化推進の啓発等、監督行政と連携をはかり適切な行政指導を行うこと。
東日本大震災によるサプライチェーンの影響が生じる等、中小企業へのダメージは非常に大きい。自然災害等の緊急事態に遭遇した場合において、中核となる事業の継続あるいは、早期復旧を可能とするために、事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画(BCP(※12))が必要である。BCP策定に向け、中小企業庁と連携し、中小企業事業主に広く周知・徹底すること。
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