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<特集>2020平和の取り組み

世界の恒久平和実現をめざして

 連合大阪では、毎月5日を中心に「連合(05:れんごう)大阪の日」として、府域各地で街頭行動を実施しています。しかし新型コロナウイルス感染症防止のため、8月の行動を中止し、ホームページで活動を紹介することとしました。

Ⅰ . 平和で安定した社会・暮らしの実現をめざして

 私たちがめざす「安心して暮らし、働き、労働運動に携わることのできる社会」の実現には、「社会が平和で安定していること」が大前提です。戦争はあらゆる社会基盤を破壊します。そのため連合・連合大阪は、平和運動に積極的に取り組み、世論を巻き起こし、地球規模での“絆づくり”を進めることで、平和で安定した社会・暮らしの実現をめざしています。

 現在「平和」であることがあたりまえ…と思っていませんか?

 しかし、いまだ戦争の爪痕に、多くの人々が苦しんでいます。世界で唯一原爆が投下され、後遺症に苦しむ「広島」と「長崎」、米軍基地が多く置かれ過度な負担を強いられる「沖縄」、領土を奪われ多くの住民が故郷を失った「北方四島」では、戦後75年が経った現在も、真の平和、安定した社会が実現していません。

 そこで連合・連合大阪は、平和運動として主に三つの課題に取り組んでいます。

  • 1. 核兵器廃絶による世界の恒久平和の実現と、被爆者支援の強化
  • 2. 在日米軍基地の整理・縮小、日米地位協定の抜本的見直しに向けた運動
  • 3. 北方領土の早期返還と日ロ平和条約の締結をめざす運動

Ⅱ . 連合の平和4行動

 連合は、毎年6月〜9月に行う「平和4行動」をはじめ、労働組合やさまざまな団体・機関と協同して平和運動を推進しています。連合大阪もこの行動に団を編成して毎年参加し、「戦争の悲惨さ」「平和の尊さ」を学び、次世代へ継承する取り組みを行っています。

 新型コロナウイルス感染予防のため、 全国から参加者を募る集会形式の平和行動を、 今年は中止しています。 各写真は、昨年(2019)の平和行動です。

1. 平和行動 in 沖縄

 第二次世界大戦末期、米軍との3ヵ月に及ぶ「鉄の暴風」とも称される激しい地上戦で約20万人の命が奪われました。特に沖縄出身の犠牲者は約12万2,000人、犠牲者全体の約65%にのぼりました。この悲劇を二度と繰り返さないため、6月23日の沖縄「慰霊の日」に平和の尊さを心に刻んでいます。

平和行動 in 沖縄

各コースに分かれ、戦跡めぐりを行いました(ひめゆりの塔)

平和行動 in 沖縄

「在日米軍基地の整理・縮小」「日米地位協定の抜本的見直し」を訴えながら、全国の連合の仲間とともにデモ行進をしました(国際通り)

2. 平和行動 in 広島

 第二次世界大戦終結直前の1945年8月6日午前8時15分、米軍によって原子爆弾が広島に投下。約14万が亡くなり、今も多くの人が後遺症に苦しんでいます。人類史上初めて原子爆弾が投下された広島の地から世界に向けて、悲劇が二度と繰り返されないよう訴え続けています。

平和行動 in 広島

ピースウォークで、全国戦没学徒出身343校を刻んだ「動員学徒慰霊塔」の説明を聞く参加者(平和公園内)

平和行動 in 広島

集会終了後、大阪から持参した水で「献水」を行いました(原爆ドーム前)

3. 平和行動 in 長崎

 広島に続き、1945年8月9日午前11時2分、米軍によって長崎にも原子爆弾が投下。約7万4,000人が亡くなり、約7万5,000人が重軽傷を負ったほか、今も多くの人が後遺症に苦しんでいます。長崎の地から世界に向けて、平和への祈りを込め、二度と核兵器が使われないよう訴え続けています。

平和行動 in 長崎

爆風を真上から受けて押しつぶされた家屋や遺品の一部などが、この「被爆当時の地層」から見ることができます(平和公園内)

平和行動 in 長崎

「恒久平和」を願うメッセージを記載し、「万灯流し」を行った(浦上川)

4. 平和行動 in 根室

 北方四島は日本固有の領土ですが、第二次世界大戦終結直後、ソビエトが侵攻。約1万7,000人の日本人住民が故郷を追われました。それ以降、今日まで、ソビエトそしてロシアによる不法占拠が続いています。領土返還と日ロ平和条約の締結なくして真の平和はありません。

平和行動 in 根室

現地学習会で、北方四島の現状などの説明が行われました

平和行動 in 根室

団結ガンバロウを行い、四島返還を求め、粘り強く運動に取り組むことを参加者全員で誓い合いました

Ⅲ . 原爆展

 核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現に向けた取り組みの一環として、連合では全国各地で「原爆展」を、毎年7月から8月にかけて行っています。

 連合大阪では7月20日から5日間、天神橋筋三丁目商店街内の「天三おかげ館」で「2020原爆展」を開き、157人が来場しました。会場には、広島と長崎に投下された原子爆弾の被害を訴えた写真や絵画、核兵器廃絶への取り組みを解説するパネル30枚を展示。また大阪大空襲などのアニメーションや戦争体験談(語り部)などの映像も放映しました

 展示を見た来場者は「原爆の悲惨さを忘れてはいけない」「戦争を二度としてはいけない」「平和の尊さを実感した」と感想を語りました。

 また会場では、「2020年7月豪雨災害カンパ」も実施し、1万1380円の善意が寄せられました。

原爆展
原爆展

原子爆弾が投下された後の広島や長崎の状況について、パネル展示を通じて訴えました

原爆展

戦時中の大阪のようすなど、DVDで放映しました

原爆展

「核兵器廃絶1000万署名」にも多くの方からご協力をいただきました

Ⅳ . 核兵器廃絶1000万署名

 核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議は5年に1度開催され、核軍縮、核不拡散、原子力の平和的利用について議論されています。

 2018年6月時点で、核弾頭は世界にいまだ約1万4450発も存在し、核軍縮はもとより核不拡散体制そのものが危機的状況に直面しています。

 また、2018年6月に史上初の米朝首脳会談がシンガポールで行われ、非核化に向けての共同声明が出されましたが、その一方で米国が2017年12月に、ネバダ州で臨界前核実験を実施していたことが明らかになるなど、核兵器をめぐる情勢は先行き不透明なままとなっています。

 唯一の戦争被爆国である日本が世界の先頭に立ち、原爆による悲惨な事実を風化させることなく、核兵器廃絶に向けた取り組みを進めていく必要があります。そこで連合は、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)と核兵器廃絶・平和建設国民会議(KAKKIN)と協力し、「核兵器廃絶1000万署名」に取り組んでいます。いただいた署名は、日本政府と国連に届けます。みなさまのご協力をよろしくお願い致します。

核兵器廃絶1000万署名
核兵器廃絶1000万署名

「核兵器はNO」を訴え、核兵器廃絶への署名に協力を求めました(2019年8月 近鉄八尾駅)

※本年4月27日から5月22日の間、ニューヨークの国連本部で開かれる予定であった「核拡散防止条約(NPT)再検討会議」は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、来年(2021年)4月ごろを目途に延期されることとなりました。それに伴い、署名活動を延長して行っています。