2021年 新年あいさつ
連合大阪 会長 田中宏和
新年、明けましておめでとうございます。連合大阪に集う40万人の組合員とご家族の皆様におかれましては、輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
連合大阪は、一昨年に結成30年を迎え、「つなぐ、つむぐ、叶える 私たちが未来を創る」をスローガンに、新たな一歩を踏み出しました。
しかし、まさにその矢先に、新型コロナウイルス感染症が、世界、そしてわが国で一挙に拡大し、人々の命と健康が深刻な危機にさらされました。また、感染症対策が進められる中では、社会・経済活動は停滞を余儀なくされるとともに、社会システムに内在していたひずみや矛盾が浮き彫りとなり、その脆弱性が露呈することとなりました。
一方で、こうした感染症の拡大によって引き起こされた社会課題は、私たちが掲げる連合ビジョン、すなわち「まもる・つなぐ・創り出す」という運動の重要性を再確認させるものでもありました。私たちの労働運動の出発点は友情と絆、そして、労働組合の根源的な使命は、「一人・ひとりの働く者とその家族の命とくらしを守る」ことであります。
私たち労働組合が、その使命を果たすためにも、社会・経済・政治のあり方を徹底的に問い直す力、変革する歩みを強め、希望ある将来への確かな道筋を創り上げていくことが重要です。
今こそ、「命とくらしを守ること」をすべての基軸に、感染症の拡大によって明らかになった社会の脆弱さを克服し、未来を切り拓いていくことが不可欠です。一人ひとりの多様性・可能性が尊重され、将来に希望の持てる社会づくりを通じ、社会・経済の新たな活力を創り出すことに結びつけていかなければなりません。
大阪では、昨年11月の住民投票において、“大阪市を存続させて発展していこう”という未来が選択されました。しかし、分断の溝は依然として埋まっておらず、民意を無視するかのような広域行政一元化などの制度論もくすぶり続けています。今めざすべきは、「市民生活と都市格の向上」にむけて、制度論に終始するのではなく政策論へと転換していくことです。加えて、本年10月の衆議院の任期満了までには総選挙が実施されます。来るべき総選挙に向けて、政策を深掘りし、私たちと志を同じくする政治勢力への力合わせを強めていくことが欠かせません。
2021年も、私たちが私たちの手で未来を創り出していくためにも、めざすべき社会像をしっかりと掲げ、「命と暮らしをまもる新しい標準(ニューノーマル)」の実現に向け、運動を力強く展開していきましょう。
共に頑張りましょう!