2019年3月8日

　松井大阪府知事・吉村大阪市長は3月8日、大阪都構想を巡る法定協議会において、住民投票の実施時期を含む工程表が否決されたことを理由に、辞職を表明。「入れ替えダブル選挙」が実施されることとなった。

　これにより、統一地方選挙と同日（4月7日執行）に大阪府知事と大阪市長選挙が行われる見通しとなった。今回の辞職表明は、「議会の同意が得られないので再度民意を問いたいため」としているが、本来、首長と議会の関係は二元代表制のもと、それぞれに選挙で選ばれており、議会の同意が得られないからと言って、府政・市政を投げ出して入れ替え選挙を行うことは、二元代表制の否定につながる極めて無責任な暴挙と言わざるを得ない。加えて、いわゆる「大阪都構想」について再度民意を問いたいとのことだが、同構想については2015年5月17日の住民投票で民意により明確に否決されたものであり、今回の発言は、それこそ民意をないがしろにするものに他ならない。

　現在、大阪府議会・大阪市会においては、2019年度の予算審議が行われている。大阪市会では3月13日、大阪府議会では3月15日に予算案が承認される予定となっているが、予算審議中に予算提出者である知事・市長が辞職表明することで、今後の予算審議に影響が出ることが想定されるなど、府政・市政の混乱を招くことは必至である。

　今回、松井氏と吉村氏が入れ替わって立候補するクロス選挙とし、仮に当選すれば、さらに任期が4年となる。しかし、同じ首長であっても知事と市長の役割は根本的に違っており、身勝手な政治的主張に固執し、単純に入れ替わり立候補するという手法は、知事・市長職を私物化し、選挙制度をもてあそぶものであり、最も重視されるべき住民生活を無視するもので、決して容認できない。

　連合大阪は、いわゆる「大阪都構想」のみに拘泥し、府政・市政を無責任に投げ出し、府政・市政の停滞と混迷を一層深める大義無き選挙を認めるわけにはいかず、断固として抗議する。

　その上で、今回実施されるダブル選挙については、いわゆる「大阪都構想」に反対する立場を明確にし、大阪を混乱に陥れる「維新」に対抗する政治勢力の結集をはかるべく力を傾注して、大阪に真の民主主義を取り戻し、引き続き、「働くことを軸とする安心社会」の実現をめざした取り組みを全力で展開する。

以　上