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連合大阪 事務局長談話

大阪市・橋下市長の辞任表明についての談話

2014年2月5日
連合大
事務局長 多賀雅彦

 大阪市の橋下市長は2月3日午後、「大阪都構想」の推進を市長選挙で訴えたいとして、市長を辞職することを表明した。

 報道によると橋下市長は辞職の原因について、「法定協議会で4つの案を1つに絞り込むことを否定されたため」とし、「1つの再編案に絞って設計図作りを進めるためには、市民の後押しが必要だ。今度の市長選挙では、『設計図を作らせてほしい』、『最後は住民投票で決めてほしい』ということを訴えたい」、さらには「市長選挙で通れば法定協議会の議論に関わりなく1つの案で進める」と述べた。

 連合大阪は今回の事態に対して以下の問題意識を持つ。

  1. 「市長選挙で自分が当選すれば法定協議会の議論に関わりなく自らが主張する1つの案で進める」という手法は、余りに乱暴である。「大都市地域における特別区の設置に関する法律」では、法定協議会での協定書の作成、議会の承認、住民投票という3つの段階を定めているがその趣旨を逸脱するものである。加えて、法定協議会を構成する自治体議員も正当な選挙で選出され住民の意思を代表しているのであって、法定協議会や議会での丁寧な協議や合意に向けた地道な取り組みを抜きにして、「最後は住民投票で決める」とすることは、二元代表制をないがしろにするものである。

  2. 「この夏までに『設計図』を示すことが住民との約束」とするのは、余りに身勝手な政治的スケジュール観であって、大阪の形を変えてしまう、大阪市を廃止してしまうという極めて重要な課題は、時間をかけてより慎重に進めるべきものである。折しも、第30次地制調の答申を踏まえた地方自治法の改正案が示されるなど、自治体のあり方を巡っては様々な動きがあり、そうした四囲の状況も十分に勘案しながら拙速を避け、充分な議論を深めるべきである。

  3. 住民生活に影響の大きい予算を審議する議会が開かれるこの時期に、政治的混乱、政治的空白を招くことは自治体の長として無責任と言わざるを得ず、市財政が厳しいとされる中で、6億円ともいわれる選挙経費を支出することについても問題がある。

 今回の橋下市長による「勝手に争点を決め、解決は市長選挙しかないと決めつけ、独善的に進めようとする」やり方は、多様な意見を聞きつつ丁寧な議論を積み上げて合意を得るという民主主義の根本と矛盾するもので、極めて遺憾であり決して容認できるものではない。

連合大阪は民主党大阪府連と連携しつつ、今後の動向を見極めながら必要な対応を行っていくこととする。

以 上