2008年11月25日更新
連合大阪法曹団
11月17日、連合大阪法曹団は第7回総会を記念し、作家の雨宮処凛(あまみや かりん)さんを招き、「ワーキングプアの拡大に労働組合はなにをすべきか?」と題し、トークセッションを行った。様々なメディアで非正規労働問題などを当事者の視点から鋭く論じる雨宮さんの話を聴きに集った参加者は、連合大阪の組合員に加え、一般も含めて82人。会場は熱気に包まれた。
トークセッションは、連合大阪法曹団の七堂眞紀弁護士の司会でスタート。同じく連合大阪法曹団の普門大輔弁護士が雨宮さんへの聞き手となり、進行された。冒頭では雨宮さんが提起する「プレカリアート」(※)や「貧困」の問題が、現在の新自由主義経済下でのグローバリゼーションによってもたらされたものであり、先進諸国で同様の状況が起こっていることが、韓国などの事例を挙げて示された。さらに、日本でのワーキングプアや派遣労働者の置かれている状況と、その問題に労働組合を作り、立ち向かう若者の運動などについて、DVDのデモ映像などを交えながら話が進められた。
質疑応答でも参加者から、「非正規労働に多い女性の働き方」についてや「非正規社員という言葉の是非」などの質問が出され、活発な意見交換が行われた。
金融危機を背景に、「派遣切り」が増えることが予想される現在の社会状況の中で、非正規労働者の問題に対し、労働組合としていかに取り組むか?が問われるトークセッションとなった。
(※)「不安定な」という意味のイタリア語である「プレカリオ」に由来する言葉で、不安定な雇用・労働状況におかれているパートタイマー、派遣労働者、契約社員などの非正規雇用労働者や失業者を総称する言葉。