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2008年2月25日更新

連合古賀事務局長来阪「社会を底支えし、底上げ」する取り組みを訴える

連合近畿ブロック代表者会議が開催、関西労使会議や組織拡大の取り組みを確認
問題提起する古賀事務局長 問題提起する古賀事務局長

 2月19日に連合大阪会議室において、近畿ブロック地方連合会代表者会議が開催された。代表者会議とは、近畿ブロック(2府4県)の地方連合会の会長・事務局長・副事務局長が参加し、連合中央からの提起を受け議論する場である。

 冒頭に、連合の岡部会長代行が挨拶に立ち、高木会長の中国訪問が急遽きまり、この会議に参加できないことのお詫びがあった。

 次に、連合の古賀事務局長から課題提起が行われた。「2006年から格差社会・二極化をキーワードにしながら、運動を展開してきた。現状について踏み込んでいえば、国民の生活全体が底割れ(底が抜けている)実態になっているのではないか、06年の統計で年収200万円以下の層が1000万人を超えるという状況に陥った。700万人弱の働く者を組織する連合の取り組みとして『社会を底支えし、底上げ』をしていく取り組みが問われている。目前に迫っている春季生活闘争については、2月1日の闘争開始中央宣言を契機に構成組織での取り組みが本格化する。地方連合会では、中小共闘・パート共闘について、地域の連帯で成果を挙げて欲しい。とくに3年目を迎えるパート共闘では、中央でも目に見える成果を出せるよう取り組むので、力を注いで欲しい」との檄がとばされた。

 次に、古賀事務局長は、政策制度課題に言及され、3つの重点課題が提起された。1つは、法整備に関することで、最低賃金法・派遣法・時間外割増率・障害者雇用に関する法整備の必要性が述べられた。2つは、社会保障に関して、社会保障整備国民会議に高木会長が参画している。この会議のもとに、(1)雇用と年金、(2)医療・介護問題、(3)少子化、仕事と家庭生活とのバランス3つの分科会が設けられた。それぞれの分科会にも委員を派遣して意見反映していく。しかし、社会保障に関しては種々の意見があることから、簡単にはまとまらないだろう。この会議においては、現状を掌握し、その課題を把握し、解決のための選択肢がどういうところにあるのかを徹底的に議論する必要がある。

 提起は、国会での論議を踏まえて税制の課題に移り、ガソリン税などの暫定税率延長の問題となった。道路特定財源に対して目的外使用などの指摘がされており、10年間で59兆円を見込んだ暫定措置はおかしいと指摘された。一方で、ガソリン税等に関して連合は、(1)暫定税率を廃止、(2)道路特定財源を見直し、(3)地方に対しての財源は確保するという総合的な改革が必要だと提起された。民主党が実施している「ガソリン税等暫定税率廃止を求める」署名については、民主党の各県連からの要請に応じて取り組まれたいと要請された。

 また、政管健保の1000億削減の帳尻合わせを組合健保と共済健保に求めるという問題がある。この問題の根源は、社会保障費2200億の削減にある。経団連・健保連・連合で反対声明を出したが、政府の強い要請により、健保連も1年限りで認めていくということとなった。健保組合財政の現状からすると、優秀な健保連に負担を求めるとなり、1人当たり約15000円の負担が見込まれる。民主党と連携して、参議院においてこの法案に反対するなど徹底抗戦を考えているが、成り行きは不透明であると提起された。

 その後の質疑では、各地方連合会からガソリン税等の暫定税率の課題に議論が集中し、答弁として、古賀事務局長から、次の4点が再確認された。(1)暫定税率は政策として廃止する、(2)一般財源化については十分に検討すること、(3)地方財政の減収分については、きちっと手立てする、(4)この課題について国民的議論をする必要がある。という認識で整理された。

 連合近畿ブロックでは、関西労使会議や組織拡大の取り組みなど、ブロック全体で展開する運動課題がある。この内の多くは、近畿ブロック代表者会議で提起され、意思統一された内容でブロックでの取り組みが進められる。とくに2008春季生活闘争では、これまでの配分のひずみを直していく闘いに従来以上に果敢に挑戦し、日本の経済成長全体について、内需を拡大し個人消費を活性化し、内需主導型の自立的な経済成長に転換させることが求められている。