コラム「徒然なるままに」(2009年4月)
連合大阪 事務局長 脇本ちよみ
私事であるが、3番目の孫がもうすぐ1歳になる。
あらためて「1年の成長は著しい!」と思う。1年前生まれたときは、お乳を飲み、排せつし、眠り、泣き…ということの繰り返しでしかなかった。
今は、座る、立つ、食べる、這う、物をつかむ、手をたたく、振り回す、一人で遊ぶなど、多くのことができるようになり、何より感情の表現が豊かになったことがやはり「すごい!」と思う。うれしい時、喜ぶときは素直に笑い、いやなときはむずかり大泣きする…当たり前のことであるが見ていてもおもしろい。
よく観察していると、こんなに小さいながらも、すねることやごまかすことや、目をそらすことをも覚えてきているし、「すごい!」「かしこい!」「上手!」などのほめ言葉には非常にうれしそうに反応して得意げだ。あらためて、人の感情ってこんなに小さい時から育っているのだ…と、また、こんなに小さくてもほめられたり認められたりすることはうれしいのだと感慨深いものを感じる。
何年か前、子どもの意識の国際比較調査で、最も自己肯定感が低い国が日本だったこと、また、自己肯定感が高いほど他者に寛容である、そんな結果があったことを思い出す。その意味では「ほめて育てろ」ということは非常に大切なことなのだと思う。
子どもに自己肯定感を育てるには、子を育てている大人そのものが自己肯定感や自己満足感をもって毎日を送る必要があるだろう。
毎晩子どもの泣き声が気になっていた近所の若いお母さん宅に町会費をもらいに行った時(その時も子どもは泣いていた)「毎日子育て大変よね。お茶一杯ゆっくり飲めないもんねぇ。そんな時たまには預かるよ」と声をかけた。いきなり彼女はハラハラと涙を流し、思わず私も泣いたことがあった。きっと彼女も素直に自分を認めてほしかったのだと思う。
孫の素直な泣き笑いの表情に癒されながら、親だけではなく、広く家族や学校や近所や地域や…いろんな人がいろんな場面で認め合いかかわりあいながら、この素直な笑顔をそのまま育てられたらいいのになあと思うこのごろである。