2022年10月21日
(第12回執行委員会)
連合大阪 会長 田中 宏和
コロナ感染症の第七波もようやく落ち着きをみせてきました。政府も、先月26日に、全国一律で感染者数の全数把握を簡略化し、今月11日からは「全国旅行支援」の実施、さらには、水際対策でも、入国者上限などの規制を撤廃するなど、感染対策の緩和を進めています。ただ、オミクロン株による第7波では、重症化率こそ低くかったものの、7月以降の3か月間の死者数は1万3千人あまりとなりました。今冬には、第8波も予測されており、落ち着きつつある今こそ検証と備えを進めることが求められています。
経済情勢につきましては、9月の日短観によりますと、大企業非製造業は、2四半期連続で改善しましたが、製造業は、3四半期連続で悪化となりました。
今後、社会経済活動の回復に伴い、国内消費が強まる期待感も高まるとの見方もありますが、一方では、身近な物価高による実質ベースの所得減少がマイナスに影響する可能性もあると見られています。加えて、OECDが2023年の経済成長見通しを、米欧を中心に下方修正していること、また、イギリスのトラス首相の辞任、今月の中国共産党大会、来月には、アメリカ中間選挙の実施など、世界情勢の不安定化が進むとの見方もあり、わが国経済に及ぼす影響について注視する必要があります。
雇用情勢につきましては、一部に厳しさがみられるものの、緩やかに持ち直しております。ただ、新型コロナウイルス感染症の再拡大や、物価上昇が雇用に与える影響などに注意しなければなりません。
政治情勢をめぐりましては、臨時国会が10月3日に召集され、会期は12月10日までの69日間となる見通しです。岸田総理の所信表明演説では、物価高を受けた新たな総合経済対策が強調されたほか、労働政策としては、成長分野に就業するためのリスキリングなど、人への投資の拡充が注目されました。人への投資をめぐっては、今月3日の大阪労使会議でも、主要テーマとして協議しており、働く者の課題克服につなげていく議論が求められています。
加えて、経済対策だけでなく、コロナへの対応、統一教会問題、安倍元総理の国葬をめぐる説明など、課題は山積しています。来月には、物価高対策を盛り込んだ補正予算審議が始まる見込みであり、政治不信を払しょくし、国民の不安にこたえるためにも、真摯な論戦を期待したいと思います。
そして、大阪です。来春の統一地方選、トリプル選に向けた動きが活発化しつつあり、維新は、大阪市長選予備選挙の実施に向けて、5人の候補を発表し、12月にも公認が決定する見通しです。2025年の大阪・関西万博を見すえ、持続可能な地域づくりが大きな課題となる中、まさに大阪の未来を左右する重要な闘いであり、この間の教訓を活かし、組織一丸となって体制づくりを急がなくてなりません。
最後になりますが、今回が、33年度最後の執行委員会となります。1年にわたり多大なる協力をいただきましたことを、あらためて感謝申し上げ、挨拶にかえさせていただきます。