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最低賃金「誰もが時給1000円」に向けた前進

2021年8月27日 (第22回執行委員会)
連合大阪 会長 田中 宏和

社会・経済情勢

 コロナ感染症をめぐりましては、感染力の強いデルタ株の蔓延により、全国で感染者数が急増しています。感染の急拡大により医療体制のひっ迫状況が深刻化する中、政府は、ワクチン接種を進めるとともに、21都道府県に緊急事態宣言を拡大するなどして抑え込もうとしていますが、その効果は出ていません。また、コロナ関連の労災件数も急増し、すでに1万件を超えるなど、感染リスクに直面するエッセンシャルワーカーの仲間の困難が浮き彫りとなりました。こうした中、今月8日には、オリンピックが閉会し、24日からはパラリンピックが開催されています。パラリンピックは、包摂的で多様性のある社会実現に向けて大きな意義がありますが、一方で、大会には基礎疾患があり重症化リスクのある選手も含まれており、ホスト国として万全を期した、運営が求められています。

 経済情勢につきましては、今月16日に発表された4-6月期のGDPは、年率換算で前期比よりも1.3%増加していますが、コロナ前の水準にも戻っていません。世界の景況感も頭打ちとなっていることから、先行きを楽観視できる状況にはありません。

 雇用情勢も、全国的には一定の回復を示していますが、コロナ禍の長期化による経済に及ぼす影響も少なくなく、厳しい状況に変わりはありません。特に、大阪の就業地別求人倍率は0.96倍と1倍を下回っており、引き続き注視していかなければなりません。

 こうした中で迎えた今夏の最賃審議において、大阪では、引き上げ額を28円とする答申が示されました。「中央最低賃金審議会」で示された目安と同額で、「誰もが時給1000円」に向けて前進したものと受け止めております。最賃審議に取り組まれた委員はじめ、皆様のご尽力に敬意を表すとともに、改めて感謝申し上げます。また、本日は、このコロナ禍で社会・働く者への影響が深刻化する中で、政策委員会でまとめていただいた大阪府への政策要請、2021春闘まとめを提案いたします。これら内容はコロナ禍の難局を、希望ある未来に変えていくため、さらに労働組合の社会的役割を果たしていくためにも、極めて重要な取り組みです。ぜひ皆様からの積極的なご意見をいただきたいと思います。

政治情勢

 次に政治情勢ですが、コロナ感染症の再拡大で、国民の不安が強まる中、政府は、野党勢力による臨時国会開催の求めにも応じず、説明責任を果たしていません。国民に行動変容を迫る一方で、政府・与党幹部らによる軽率な行動も散見され、率先して行動を変容しようというメッセージは見えてきません。加えて、感染対策の柱となるワクチン供給でも混乱が続き、国民の間に不信感が広がっています。内閣支持率は、政権発足以降、最低水準で推移しており、総理のおひざ元である横浜市長選挙でも、全面支援する候補者が大敗し、立憲民主党などが支援する候補者が勝利収めました。

 この市長選の結果は、来月の自民党総裁選、さらには次期衆院選にも影響を及ぼすと見られています。私たちが支援する立憲民主党・国民民主党においては、政権と対峙しうる政策を掲げ、選択肢となり得ることを示していかなければなりません。

最後に

 最後になりますが、この28日投開票の池田市長選に、連合大阪政策政治フォーラム特別会員である内藤さんが立候補し、奮戦されています。

 前市長の不祥事により大きく損なわれた池田市の信頼を回復するともに、維新政治から市民の手に取り戻すための重要な闘いとなります。投票日まであとわずかとなりますが、最後までともに闘いぬくことをお願いし、私からの挨拶とさせていただきます。