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東日本大震災から10年 災害の記憶を風化させず、コロナ禍に立ち向かう

2021年3月19日 (第17回執行委員会)
連合大阪 会長 田中 宏和

 みなさんこんにちは。

 本日は、大変お忙しい中、また、コロナ禍にも関わらず、執行委員会にご出席を賜り、心より感謝を申し上げます。

 さて、コロナウイルス感染症をめぐる状況ですが、明後日、21日にも首都圏の緊急事態宣言が解除されることとなりました。ただ、首都圏、大阪での感染者数は、下げ止まりどころか、徐々に増加傾向にあるとさえ見られています。変異株の拡大含め、予断を許さない状況には変わりはありません。このような中、ワクチン接種で収束への期待感も高まっていますが、その一方で、様々な課題も出てきており、これまでの経験・知見を活かした対応が求められています。

取り巻く状況(経済・政治)

 このような中、経済情勢につきましては、全国、関西ともに、基調としては持ち直していますが、感染症が長期化する中で、経済の下振れリスクは引き続き高い状態にあり、今後とも、感染症が金融経済情勢に与える影響について、注視していかなければなりません。

 雇用をめぐっては、緊急事態宣言の再発令で悪化が懸念されていましたが、1月の完全失業率は2.9%となり、前月から0.1ポイント低下、1月の有効求人倍率(季節調整値)は1.10倍で、前月から0.05ポイント上昇しました。しかし、一方で、非正規労働者は11か月連続で減少し、特に、女性へのしわ寄せが深刻化しています。女性労働者へのしわ寄せは、働く者への影響だけでなく、消費や経済全体の停滞につながる恐れも指摘されています。

 このように、コロナ禍のひずみが、社会的に弱い立場の方々を直撃し、社会的なセーフティネットの拡充が求められる中、私たちは、この間、大阪労福協とも連携し、影響がでている方々への支援策について検討を進めてきました。

 そのうえで、本日「ろうふくエール基金」を活用した、社会的価値ある運動について、提起したいと考えていますので、皆さま方からのご意見を宜しくお願いいたします。

 次に、政治をめぐる状況です。異常なまでの官僚接待などで与野党の攻防は続きますが、コロナ対策の徹底した議論を求める国民の思いとは少しずれが出ているようにも感じています。4月には2つの補選と広島の再選挙、7月は都議選と重要な政治決戦が控えており、4月以降の国会論戦において野党の存在感をいかに示していくのかが大きな課題になるのではないかと思われます。総選挙めぐる情勢はコロナ収束が進まない中、4月補選との同日選の可能性はかなり薄くなったと見られています。とはいえ、衆院選は常在戦場であり、緊急対応を念頭においた態勢づくりも進めていかなければなりません。そのうえで、本日執行委員会前段で政治センタ―幹事会を開催し、ご確認いただいた内容について席上提案させていただきたいと思います。

春闘

 こうした中での2021春闘です。後ほど、黒田副事務局長からこれまでの交渉経過を報告させていただきますので、多くは触れませんが、何よりも厳しい環境下での交渉にご奮闘いただいた、また、現在いただいている皆様に心より敬意を表します。

 私たち、連合大阪としましても、この間、各経済団体や労働局への要請、さらには、今月5日に春闘総決起集会を開催し、コロナ禍で明らかとなった社会の課題を含め、日本の将来を引き継いでいくための、今春闘での意義を訴えてきました。厳しい交渉となっておりますが、今後続く、中堅・中小組合、さらには未組織を含めたすべての働く者の処遇改善に向け、最終最後まで連合大阪一丸となって闘い抜きたいと思います。引き続きのご支援をお願いいたします。

最後に

 最後になりますが、先週、あの未曾有の災害「東日本大震災」の発生から10年が経過しました。今、尚、現地の復興がままならない中、被災者の方々を支え、災害の記憶を風化させない取り組みが求められています。連合大阪として、メーデーをはじめこれらを意識した取り組みを進めてまいりたいと考えています。

 また、そのメーデー、昨年に引き続きこのコロナ禍の状況も見極め、従来通りの開催は困難だと考えています。開催形態含め内容全般について、執行委員会終了後のメーデー実行委員会に諮りたいと思います。

 この重点取り組みへの活発な議論もお願し、冒頭の挨拶といたします。

 本日、どうか宜しくお願いいたします。