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前例のないメーデー 今こそ連帯・団結を

2020年4月17日 (第6回執行委員会)
連合大阪 会長 田中 宏和

※4月の執行委員会は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため持ち回り開催とした。

 執行委員会に参画されている皆様、それぞれの取り組み、本当にお疲れ様です。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、先月に引き続き持ち回り開催となりました。
いつもの冒頭あいさつに代えて、田中より次のメッセージを送らせていただきます。

コロナをめぐる情勢

 新型コロナウイルス感染症は、世界中で猛威をふるいつづけ、多くの人命が失われています。中国を発端とするウイルスの感染拡大でしたが、3月以降は欧米諸国を中心に拡大しており、先行きの不確実性もあいまって、1930年代の世界恐慌以来の深刻な経済状況になると見られています。国際機関による経済見通しも軒並み悲観的で、国際通貨基金(IMF)は、4月14日、世界のGDPはマイナス3%に落ち込む見通しを示しています。

 また、先が見通せない状況下で、社会不安が日々広がっており、中には国際社会でのコロナ対応が、収束後の世界に分断をもたらすのではと危惧する声も高まっています。

コロナが日本経済に及ぼす影響

 わが国でも、感染拡大が進む中、政府は緊急事態宣言を発出、移動制限も広がり、経済活動全般が急速に縮んでいます。日本銀行が 4 月 1 日に発表した 3 月の短観も大幅に低下しており、感染症対策が長期戦となる見通しの下、早期のV字回復は難しいとの見方が強まっています。

 これら経済情勢の悪化は雇用にも影響を及ぼし、雇い止めや派遣切りなど、すでに顕在化しつつあります。厚労省が3月31日に発表した有効求人倍率は、全国で1.45倍となり、「まだ水準は高く、リーマンショック時とは違う」との見方を示しているものの、3月中旬以降の状況をみると、厳しくなるとの見方が強まっています。

春闘

 こうした厳しい状況下での春闘でありますが、連合第2回、3回の集計では、中小の賃上げ額・率は、昨年同時期とほぼ同等、有期・短時間・契約等労働者の賃上げは、時給・月給ともに昨年同時期を上回るなど、健闘ぶりが際立つ結果となっています。

 私たちがこの春闘で目指すところの「分配構造の転換」につながる結果となっており、さらに強化し広げていかなければなりません。また、この4月1日から始まった同一労働同一賃金が法の趣旨を踏まえた対応がなされているのか、GPIFの運用見直しの影響、さらには、コロナショックによる働く者をめぐる環境など、連合としてしっかりチェックし、運動に繋げる必要があります。

弱い立場の方々へのしわ寄せ防止

 ウイルス感染の影響で、有期・短時間・契約等の労働で働く方々を中心に雇止めが発生しています。リーマンショックの際、仕事と同時に住まいを失う人の急増が、大きな社会問題となりました。今回もまた、同じようなことが起こりかねません。政府は、様々な経済対策を打ち出していますが、住まいを失う人を作らない対策を講じることも政治の責任であります。外出自粛が要請される中、安定した住まいの確保は、感染症対策にとっても必要であり、社会全体の安全にもつながります。私たち労働組合としても、働く仲間を守る取り組みとして、働き方改革を社会の隅々まで届け、安心・安全で働きがいのある職場を作っていくことの必要性を求めるとともに、行動していかなければなりません。

メーデー

 来月5月1日は働く者の祭典「メーデー」です。連合大阪として、この一大イベントに際し、連帯活動委員会やメーデー実行委員会で議論してきましたが、今回は、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえ、Web(ウェブ)上で開催することとなりました。メーデー史上、前例のない取り組みとなりますが、皆様のご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

 メーデーは、世界の働く者が集い、団結や連帯を確認しあう祭典です。Web開催となってもその意義や重要性がそこなわれるものではありません。戦後最大の国難ともいえる感染症に立ち向かうにあたっては、分断や対立ではなく、協調や連帯こそが不可欠です。その意味で、私たち労働組合が、メーデーの意義を社会に向けて強力に発信していくことの重要性はこれまで以上に高まっています。

 今、私たちの社会は、ウイルスによって大きく傷つき、人々は言いようのない不安に苛まれています。見ることもできない未知のウイルスを前に、私たち人間は弱い存在であり、弱い存在だからこそ連帯して立ち向かわなければなりません。私たちが経験したことのない、異例ずくめのメーデーとなります。今こそ、「働くことを軸とする安心社会」、働く者の代表である私たち連合大阪として広く連帯を呼び掛け、この実現に向けて力を発揮しましょう。そして、ウイルス感染から生命・健康を守ることを第一に、その上で、収束後の社会を見据え、連合近畿ブロックとも連帯を深め、未来の社会づくりに向けた運動を展開していきましょう。