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平成の30年を振り返り、新たな年の運動推進を

2019年1月22日 (第15回執行委員会)
連合大阪 会長 山﨑 弦一

 先般開催した新春の集いに多くの方にご参加いただいたことに、あらためて感謝を申し上げます。本年初めての執行委員会ですが、今年一年間もご指導ご支援をよろしくお願いします。

 平成の30年が今年で終わる。連合も期せずして、今年で結成30年を迎え、節目の年となる。

 私が学校を卒業し職業人になったのが1984年(昭和59年)であり、昭和の終わりに社会に出てきた。その4年後に、職場委員となり労働組合の世界に足を踏み入れた。そして、5年後の1989年に平成に元号が変わる。そういう意味では、私の職業人生、組合役員人生の大半が平成と重なる。

 改めて振り返ってみると、まさに激動の30年だった。

 経済的には、1989年にバブル崩壊、ベルリンの壁が崩壊し冷戦の終結と時を同じくして、中国の市場化によるグローバル化の進展、その後ITバブルの崩壊やリーマンショック、超円高という時代を経験してきた。

 社会的には、少子高齢化が加速し、その一方で雇用が不安定化し非正規雇用が4割となった。そして、家庭のあり方も変化し、ひとり親世帯の増加、格差の拡大と固定化、貧困層の拡大も目に見えて起こってきた。

 技術的には、ICT技術の進展により市場と社会全体が大きく変化した。

 政治的には、2度の政権交代があり、結果的には安倍一強政権のもとでの民主主義の危機という状況にある。そして、官僚の劣化もすすんでいる。大阪では、トランプ、ポピュリズムの先駆けともいえる維新政治による混乱の中にある。

 そして今、世界は、トランプ、ブレグジット(欧州連合からのイギリス脱退)の問題、ポピュリズムの進展により、VUCA(ブーカ)時代と言われている。Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)。日本もそのことと無関係ではいられない。

 そのような中、2000年以降に生まれた人は100歳まで生きる確立が50%あるそうだ。激動する世界情勢の中で、人生100年時代をどのように展望するのか? 労働運動をどう展望するのか? 今、しっかりと議論をする必要があると思う。

 来月の執行委員会では、連合本部から、今後の連合運動のあり方の検討状況についてレクチャーに来られるので、積極的に意見提起をお願いしたい。

「新春の集い」でも申し上げたが、人間を大事にして、時代の変化にどう対応していくのか、という「不易流行」の考え方をしっかり持っていなければならない。また、新たな社会像、働き方を創造していくことが大事ではないかと思っている。そういう思いも込めて、今年の漢字を「創働」とした。皆さんと共に運動を進めていきたい。