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政策活動の重要性

2018年8月22日 (第10回執行委員会)
連合大阪 会長 山﨑 弦一

 昨日、地域・地区代表者会議を開催させていただき、主に政策・制度要求にかかわる議論をしてきた。その席でも申し上げたが、政策の重要性、そして、そうしたことにもっと興味と関心を持たなければならない。
今月の三役会議でも申し上げたが、少子高齢化は、今、突然始まったわけではなく40年も前から予測されていたことであり、政治の無策が今日の事態を招いているということを認識しておく必要がある。他にも、さまざまに心配なことがあるのではないか。

 1つは、自然災害。日本も大きな被害を受けているが、地震の災害、異常な高温、豪雨、毎日のように襲い来る台風。私が子どものころはもっと涼しかった。どう考えても地球温暖化が原因ではないか?プラスチックごみの問題も世界的な課題になってきているが、人間の経済活動が全地球規模に広がったことによって、いろんなことが問題になってきているのではないかと思っている。こうしたことに対して、もっと真剣に対処していかなければならない。

 2つ目には貧困対策。先日、日経ビジネスのネット記事で、「2025年『アンダークラス』1000万人の絶望」という、記事が目に留まった。冒頭の部分を少しだけ紹介する。

…「かつて日本は長く『一億総中流社会』などと言われてきたが、今やその影もなくなってしまった。格差拡大が進み“階級”が固定化してきている。そして、巨大な仮想階級『アンダークラス』が新たに出現してきた。アンダークラスの平均年収はわずか186万円で、男性の未婚率は66.4%、その数は930万人だが、2025年には1000万人を突破するとみられている」…

 貧困というものは、なかなか見えにくいが、着実に日本の社会をむしばんでいる、ということではないか。社会全体をどうやって底上げをしていくかという政策が問われている。

 3つ目は、介護の問題。介護にかかわる問題は今もいろいろ議論されているが、私も今年に入って、母の介護にかかわって東奔西走した。そのわずかな経験だが、自分自身が介護されるような状況になったらと思うと暗い気持ちになる。それが、今の日本の状況だと思う。自己責任として片づけられる問題ではなく、社会的な課題として、しっかりとした政策が求められている。
これらの課題への対象となるSDGsについては、掛け声だけではなく真剣に議論し、政策に落とし込むことが必要である。

 最後に気になるのが、中央官庁のモラルの崩壊。公文書の改竄、隠蔽があったが、これについて、まだけじめはついてないと思う。ここにきて障害者雇用についてもごまかしていたことが明らかになった。監督官庁がこれをやったらおしまいだろう。組織は頭から腐るということかもしれないが、安倍政権ではそういうことが起こるということで放置してはおけない問題である。そうした中で、自民党総裁選が始まる。石破さんが掲げているのが、公正、正直。どうもしっかりした政策論議は期待できそうにない。そうした中、今日、国民民主党の代表選が告示される。あまり注目されていないが、せめて、しっかりした政策議論をしてほしい。

 連合大阪として今後も、しっかり政策制度の議論、要求をしていきたい。引き続きのご支援をお願いしたい。

*SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年〜2030年の15年間で達成するために掲げた目標である。