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リオ・オリンピックの成果から見えるもの

2016年8月19日 (第10回執行委員会)
連合大阪 会長 山﨑 弦一

 Rioオリンピックが終盤になった。日本は、水泳陣そして体操陣と大変頑張って快調にメダルを量産した。後半に入ってレスリングも頑張っている。卓球も従来以上の成果を収めている。大変いい結果が出ているが、その背景としてマネジメントの視点から学べる点があると思う。

  一つには、人材育成という視点。ご承知のとおり、ずいぶんオリンピックで金メダルが取れない時代が続いていた。これではダメだということで、相当お金をかけて東京には味の素ナショナルトレーニングセンターを建て、それぞれの種目ごとにきちっとお金をかけて人を育てるということをやってきた成果がやっと出てきたというふうに思っている。人材育成はしっかりやることが大事で、しかもお金もかけなければいけないということが、改めてわかったのではないか。私たちも人材育成を続けているが、もう一回そういう視点を持っていかなければならない。

 二つ目にはチームワークである。とりわけ、日本人の特性としてチームワークを大事にしてきたが、今いろんな働き方や変化の中でチームワークと言うものが少しおろそかになってきている。その意味でもあらためてチームワークの大事さがわかった。

  三つ目にはリーダーの重要性。いかにリーダーがリーダーシップを発揮してみんなを引っ張っていくのか。この3つの重要性が指摘できるのではないか。

 もう一つ付け加えるなら、世代交代。吉田選手が4連覇を逃し、世代交代が見えてきた大会だったが、問題はしっかりとした世代交代ができる後進を作っておくこと。

 ただ、根本にあるのはモチベーションをどう高めるかということ。オリンピック、そして金メダルを取るというモチベーションは非常にわかりやすいし、チャレンジし甲斐のある目標である。私たちも労働運動を考えるときに、いかに若い人や組合員のみなさんに、そうしたモチベーションを持ってもらうのかということが大事だと思う。我々も考えていかなければならないことである。

 話は変わるが、公文式のある資料を読んだらおもしろいことが書いてあった。一つのクイズだが、「やる気がない時は(A)を考える。やる気がある時は(B)を考える」。この (A) (B) に入る言葉は? というもの。答えは、(A) が「言い訳」。(B) が「方法」。いかにやる気を作っていくのかが重要かと言うことであった。私たちの労働運動のこれからの展開も、これまでの延長線ではなく、いかに方法を考えていくのか、やる気やモチベーションを高めていくのかが重要であるとあらためて思った。

 また、ある研修の中で聞いた話だが、仕事が仕事を呼ぶと言うことを言われた。一つの仕事をしっかり成し遂げることで、さらに大きな仕事が入ってくるという話である。そういう、やり方も考えていかなければならない。人材育成の一つの考え方として紹介し、冒頭のあいさつに代えたい。