2016年度 大阪市立大学・連合大阪寄付講座
日時 | 講師 |
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2016年11月21日 | 谷合佳代子氏(大阪産業労働資料館館長) |
働くことは生活の基底をなす。労働観の変遷=労働史を映画から見る。映画を素材に、「働くことの意味」を考える。映画表現からのアプローチを試みる。
谷合佳代子氏
労働映画とは記録映画、劇映画を含め、仕事と暮らしの実態や、その改善の取り組みを描く映像作品をさすもの。具体的には、
映画の中に描かれる労働者は時代を映す鏡でもある。働く者の歴史を知り、知られざる職業実態を知るには格好の素材。「働く」とはどういうことか。何を求めているのか。何を得て何を失うのか。生きることの意味は「労働」の中にあるのかないのか。過去から現在を照射するものとして古い映画からも学ぶことは多い。
「大学は出たけれど」「生きる」「キューポラのある街」「あゝ野麦峠」「マルサの女」「木村家の人びと」「フラガール」「県庁の星」「ブラック企業に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」「ダンダリン労働基準監督官」(TVドラマ)全10作品を紹介。喜びも悲しみも、楽しみも苦しみも、働く中にある。働かない、という選択も含めて、働くことを考えてみよう。映画の楽しさとともに。
受講生は映画の解説を聞きながら、映像を真剣に見つめていた。改めて労働と生きることの意味を考え直す機会となったようだ。