2016年度 大阪市立大学・連合大阪寄付講座
日時 | 講師 |
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2016年10月24日 | 井尻雅之氏(連合大阪副事務局長) |
「働くことを軸とする安心社会」の実現のために、連合大阪はどのような政策を目指しているか。そして、その政策を実現させるための、政治活動の今日的な意義を解説する。
井尻雅之氏
連合がめざす社会像は「働くことを軸とする安心社会」。働くことに最も重要な価値を置き、誰もが公正な労働条件のもと多様な働き方を通じて社会に参加でき、社会的・経済的に自立することを軸とし、相互に支え合い、自己実現の挑戦できるセーフティネットが組み込まれている活力あふれる参加型の社会。
労働組合は、自分たちの暮らしを守りより良いものにするため企業に労働条件の要求をするだけでなく、国・自治体に法律や制度で決まることや税・社会保障などに関して政策・制度の要求を行っている。例えば連合大阪では、大阪府に対して雇用、就労対策の充実・強化、生活困窮者の自立支援、女性の就業支援など。政府が検討している働き方改革に対して、連合は均等待遇原則の法制化、長時間労働の是正に関して具体的な政策を国に求めているが、労使の自治を基本として尊重すべきと主張している。女性活躍推進に関しては、環境整備は整っていないのが現状。男性の働き方を見直さなければ変わらない。首長との懇談会においても、男性が変わらないと周りの環境が変わらないことを問題提起した。
大阪市廃止・分割に対しても大都市制度の在り方を研究し、5.17住民投票での反対運動を起こした。政治との関りは、労働者の生活を守るためにたいへん重要である。
学生からは「均等待遇の実現性は?」「欧州の職業能力開発の取り組みとの違いは?」など、質疑応答も活発に行われた。