12月1日、連合大阪は「同一労働・同一賃金を考える」講演会を開いた。安倍政権が進める「働き方改革」の政策の一つに、同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善が掲げられている。また、同一労働同一賃金を認める判決が出された「長澤運輸事件」(2016.5地裁)(*2016.11東京高裁で逆転敗訴)などにより、今、「同一労働同一賃金」は働き方に大きな影響を与えようとしている。
まず、連合から渡辺温子労働法制対策局部長が登壇し、「同一労働同一賃金に対する連合の基本的な考え方」を報告した。続いて労働ジャーナリストの溝上憲文さんは基調講演で、「職務給の導入を拡大し、さらに労働組合自らがその制度を考え交渉すべき」と訴えた。また、連合大阪法曹団の中島光孝弁護士は、「政府の働き方改革実現会議が発表予定のガイドラインの内容と、同一労働同一賃金を巡って争う2つの事件(「ハマキョウレックス事件」「長澤運輸事件」)の最高裁判断によって、今後の働き方に大きく影響する」と見解を述べた。
その後のフリーディスカッションでは、「『長澤運輸事件』が高裁で逆転敗訴となった判決内容」や、「(同一労働同一賃金が実施された場合の)労働組合としての対策」など、活発な質疑応答が行われ、120人の参加者からも高い関心が示された。