11月22日、連合大阪と連合の共催で「許しておけない、こんな雇い方!」大阪シンポジウムを開き、109人が参加した。このシンポジウムは、使用者と労働者の関係を雇用関係ではなく、新たな偽装請負と呼ばれる脱法的な雇用形態で悪質な働かせ方を蔓延させないために広く社会に訴えることを目的としたもの。
冒頭、山﨑連合大阪会長が「雇用責任を果たすことは経営者の責務。業務委託契約を乱用して雇用責任逃れを行う企業を許してはならない。政府で働き方改革が議論されているが、今後、働く者の尊厳・安全・人権が無視されるような働き方が拡大する懸念がある。連合が力を合わせ、雇用を守る防波堤になっていく」とあいさつした。
棗(なつめ)一郎弁護士による基調講演では、さまざまな業界・職種で偽装請負・業務委託が増えている現状を紹介。厚生労働省が発表した報告書「働き方の未来2035」の未来予想図に触れ、「政府が進めようとしているのは雇用破壊政策。断じて阻止しないといけない」と警鐘を鳴らした。
パネルディスカッションでは、全ベルコ労働組合の高橋功委員長が「仕事に誇りとやりがいを持ちながらも、過酷な労働実態と労働者の利益をすべて吸い上げられ労働条件が改善されない状況を変えるために立ち上がった」ことを強調。セレマ労働組合元委員長の川元啓之さんは「巧妙なやり方で直接雇用から下請化・代理店化への転換が進められた」とその経緯を報告した。連合大阪の村田副事務局長は、トラック運転手、美容師、マッサージ師など業務委託で働く人たちから連合大阪への労働相談事例とその対応について紹介した。
最後に、南部連合副事務局長が「この問題について連合で対策チームを立ち上げて支援する一方、シンポジウム開催、新聞寄稿などを通して広く周知を図っている。現場でやりがいを持って働く人たちの労働条件を改善していきたい」と連合の運動に支援を求めた。