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コラム「徒然なるままに」(2006年5月)

花を愛でる日がいつまでも続くように…

連合大阪 事務局長 脇本ちよみ

 花が咲き始めてから寒い日が続いたせいか、今年の桜はいつもよりも長く楽しめた。
 連合大阪の窓から見える大川の桜並木のピンクも長く眺めることができ、うれしかった。

 春は本当にいい!桜に始まり次々といろんな花が咲くからだ。私の家の狭い何の手入れもしていない、ほったらかしの庭であっても、雪柳、山吹、木瓜(ぼけ)、こでまりなどの花が咲き、これまた植えっぱなしの球根から、水仙、ムスカリ、フリージアなどが次々と咲いている。毎日の帰りが遅く暗くなってしまうので、朝、洗濯物を干しつつベランダから見るだけの庭なのだが、今は「花にら」や「シャガ」の花が一面白くなるように咲いている。それを見るだけで何とも幸せなうれしい気分になる。

 今年の冬はことのほか寒かったが、2月末のある日、庭の隅に「においスミレ」の小さな紫色の花を見つけたときは思わず「わーっ!スミレが咲いている!!春が来た!!」と叫び、うれしくて何度も眺めた。以前、「そんなに花が咲くのがうれしいか?」と友人に言われたことがあるが、それは私が雪国育ちだからかもしれない。果てしなく雪に覆われた毎日の生活の中で“春の花が咲くのを待つ思い”が強くなったのかもしれないと思う。しかし、冬がどんなに寒かろうが、どんなに大雪が降ろうが、時期がくれば芽を出し、花をつけるというこの自然の営みはやはりすごいとあらためて思う。

 地球温暖化が言われ、動物や植物の生態系の変化が危惧(きぐ)されるこのごろである。確かに昔は街中に見られなかった百舌(もず)やめじろなどの鳥の姿が見られたり、山里にクマやイノシシやタヌキが現れて農作物に被害が出たりと身近にも自然の変化を感じることが多くなってきた。

 また、大雨、洪水、季節はずれの台風の到来、地震の多発などなど…やはり、確実に自然はおかしくなってきていると思う。このままいくと“春になり、あたりまえに花が咲く”ことすら楽しめなくなるようなことになったらどうしよう…?と思ったりもする。

 誰でもが「花を愛でる」ことは好きであり、特に日本は四季折々の花を楽しむことができるので「花・鳥・風・月」というくらい文化として浸透している。しかし、また、自然に逆らって、夏は涼しく、冬は暖かく、と冷暖房をがんがん使用したり、土に返ることのないリサイクルのむつかしい「ごみ」を捨てたり、まだまだ使える大型のごみを出したりということを私も含め多くの人が行っている。

 花が咲き誇る「春」をこれからも楽しむためには、これらの自然を守るための課題を大きくは政策の課題として取り組んでいかなくてはいけないし、個々人としてもできるところから「自然」を大事にする取り組みを意識して行っていかなければ…とあらためて思っている。