pagetop

古い社会規範を変えていく積極的な議論を

2019年9月27日 (第23回執行委員会)
連合大阪 会長 山﨑 弦一

 まずは、佐賀県や千葉県の被災地のみなさまにお見舞いを申し上げる。今後、愛のカンパからの(カンパ金の)支出について連合大阪としても検討したい。

 小泉環境大臣(国連での発言)は「気候変動のような大きな問題に取り組む際には『楽しく』『格好良く』『セクシーで』なければならない」と発言し波紋を呼んだ。いかに話題を呼ぶだけの発言だったかが、16歳の女子高校生グレタ・トゥーンベリさんとの比較で底の浅さが露見してしまった。

 グレタ・トゥーンベリさんご自身が発達障害の一種、アスペルガー症候群と公言しているが、すでに、反対派からは差別発言も出ている。残念なことだと思っている。私たちの実感として、明らかに温暖化していると思っているし、その対策についても、あまり時間的猶予がないとあらためて感じている。

 さて、NHKの朝ドラ「なつぞら」がこの土曜日(9/29)で最終回を迎える。時々見ているが、一つ気づいたことがある。それは、夫婦共働きで働く、なつの子育てについてである。

 保育園を探しに行って、市役所の担当者から「親の仕事のために子どもを犠牲にするのか」と言われ傷つくことになるが、結局、保育園に入れず、友人に預け、その後は兄夫婦に面倒を見てもらい、小学校入学前には、北海道からお祖母ちゃんに応援に来てもらうことになる。

 まさに、昭和の時代の、ある種、恵まれた子育ての典型的なパターンではないかと思う。しかし、少子高齢化が進む日本では、もうこのパターンは、なかなかできないということを認識すべきである。自己責任だけに頼るのではなく、社会の宝としての子どもの育成に、社会としてどう関わっていくのかが問われている。

 そういう意味では、昭和の時代の社会規範で、残さなければいけないものもあるが、変えなければならないものは変えていくという積極的な議論が必要である。その上で社会システムの制度変更をかけていかなければならない。そうした感覚が薄いのが、今の安倍政権ではないか。違いを認め合うということは難しいが、そこまで議論を深掘りしていかないと、新しい時代は来ないのではないか。

 10月4日からは臨時国会がスタートする。野党は共同会派を組んで安倍政権に対峙をしていく。へたをすれば解散総選挙のきっかけを与えかねないと思う。我々も、そういう危機感を持ちながら、今後の政局をみていく必要がある。

 最後に、社会運動の新顕彰碑の建て替えで寄付をお願いしている。多くのみなさんからすでに寄付をいただいているが、年末まで受けつけているので、ぜひとも、取り組みの輪を広げていただければ、大変ありがたいと思っている。