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心を閉ざす正論ではなく、心を溶かす提案を

2019年8月26日 (第22回執行委員会)
連合大阪 会長 山﨑 弦一

 国民民主党と立憲民主党との会派調整がスタートした。報道によると、国民民主党は立憲民主党などと月内にも会派運営協議会を設立し、秋の臨時国会までに法案対応の意思決定手続きを含め運営方法を決める。野田佳彦前首相らの衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」も近く会派総会で対応を協議する。

 私の個人的な意見だが、先祖返りしないかと大変心配である。また、賛成だ、反対だと言ってガタガタもめるようでは、安倍政権の思うつぼにはまっていく。新しいフェーズに入った野党の姿を見せてほしいという期待を込めて、今後の推移を見守りたいと思っている。

 今月も本の紹介をしたい。専修大学教授の岡田憲治さんが書かれたもので「なぜリベラルは負け続けるのか?」という本。今年の5月末の出版なので、先般の参議院選挙までの、野党の5連敗を受けて書かれたものである。私が、最近の選挙を通じて感じていることでもあったので、その一部を紹介したい。

 閣僚経験もある野党某政治家が「正しい政策を訴え続ければ人々はいつか必ず自分たちを支持してくれる」と言っていました。しかし、これは、「政治とは正論をぶつけることだ」という、敗北と失敗を約束するような杜撰な戦い方をもたらすことになる。「まじめとみじめ、一時違いで大違い」ということを書かれている。

「相手の心を閉ざす正論ではなく、心を溶かす提案が必要」だとしている。
「正しいと思うことを正しいと思うままに立派な言葉を投げても、大衆のハートは起動しない。あくまでも、『今、身体から感じる不条理、切なさ、納得のいかなさ』に依拠して、『それは私も同じだよ』と呼びかける以外に、彼らの力を引き出す方法はないと思うのです。

 経済や暮らしや未来の生活という人間の生きる諸条件に不安を持ち、希望を持てないならば、社会を支えるために政治を変えねばならぬと思う者は、そうした不安に寄り添って、それを共有する人間としての立ち位置を示し、我々の生活の具体的な条件について、それをきちんと政治の言語へと翻訳し、実効的な力を発揮できる戦いの舞台を作らなければならない」と言われており、今の私たちの立場に当てはまると思う。

 住民投票や次の衆議院選挙などに向けて、参考にする必要があると思い、ご紹介したい。