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最低賃金「誰もが時給1000円」の壁を超える

2022年8月19日 (第10回執行委員会)
連合大阪 会長 田中 宏和

社会・経済情勢

 第7波とされるコロナの感染状況ですが、全国的な感染拡大により、亡くなられる方も急増し、病床がひっ迫しつつある地域も出てきています。大阪でも、先月27日に非常事態を示す赤信号となり、病床使用率は70%を超えるなど、医療現場は厳しい状況に陥っています。政府は、医療ひっ迫の状況を踏まえ、感染者の全数把握などの対応を見直す方針を固めていますが、「命を守る仕組みづくり」に向け、専門家の知見を踏まえた検証と議論が求められています。

 経済情勢につきましては、4月から6月期のGDPは「実質」で前の期と比べ0.5%のプラスとなり、3四半期連続のプラス成長となりました。ただ、先行きについては、国際情勢の不安定化が進む中、米欧の景気減速・後退懸念が高まっており、回復は一時的に留まるとの見方もあります。雇用情勢は、先月の全国の完全失業率は2.6%で、前の月から横ばい、一方、「休業者」はコロナ感染拡大前の水準まで減っており、総務省は「就業状況に持ち直しの動きが見られる」としています。

 こうした中で迎えた今夏の最賃審議において、今月4日、大阪では、引き上げ額を31円とする答申が示されました。「中央最低賃金審議会」で示された目安と同額で、大阪では、初めて1000円を上回ることになりました。連合、連合大阪では、「誰もが時給1000円」を目指して取り組んできたことから、この水準を超えることができたのは一定の成果と受け止めております。最賃審議に取り組まれた委員の皆様はじめ、ご尽力いただいた方々に敬意を表すとともに、改めて感謝を申し上げます。

 一方で、今後、大阪では万博など国際イベントが予定されるなど、地域の安定につながる最賃のさらなる引き上げが求められており、取組み強化を進めてまいりたいと思います。

政治情勢

 政治情勢についてですが、コロナ第7波への対応、さらには、不十分な物価高騰対策に加え、旧統一教会と政界との関係解明についても、十分な説明がなされず、岸田政権への不信感が強まっています。急遽実施された内閣改造も、旧統一協会との関係を指摘される閣僚らが留任・起用され、疑念は払しょくされませんでした。また、安倍元総理の国葬儀についても、世論は二分されています。野党は、早期の臨時国会召集を求めており、岸田総理は、国民の不信感を払しょくするためにも、国会審議を通じて実態を徹底的に調べ、国民に明らかにしていかなければなりません。

最後に

 最後になりますが、大阪IR整備計画については、大阪の未来を左右しかねない計画であるにも関わらず、この間、様々な課題が浮き彫りとなっています。私たちもしっかりとその現状を把握し、今後の対応に活かして行きたいと思います。