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コラム「徒然なるままに」(2009年9月)

山が動いた日

連合大阪 事務局長 脇本ちよみ

喜ぶ人々のイラスト 「山が動いた」日、2009年8月30日であった。

 「政治を変えたい!」「日本の社会のありようを変えたい!」という一人ひとりの国民の思いと願いが大きなうねりとなって投票行動に結びつき“民主党の圧勝”“政権交代”という、うれしい結果をもたらしたと思う。

 選挙戦は長かったし、暑かった。多くの候補者が真っ黒になって選挙区内を飛び回って支持を訴えて歩いた。連合大阪も、推薦候補者の応援団として、地域・地区、構成組織一丸となって連日・連夜、さまざまな取り組みを展開してきた。いろんな形で、取り組みに参画・参加いただいた多くの組合員のみなさまに心から感謝申し上げ、この結果を共に喜びあいたい。

 そして、これからが本当の勝負の時であるとあらためて思う。「政権を取った」ということは、同時に大きな責任がもうすでに課せられていることだ。

 「今よりいい暮らしに!」「何とかいい雇用情勢に!」「景気回復にむけて、何とか産業再生を!」「子どもたちに教育の機会均等を!」「格差の解消を!」「安心できる年金・介護・医療の制度実現を!」…など、悲鳴にも近い多くの国民の思いが託されての重い選挙結果である。その託されたものを一つ一つ「マニフェスト」に基づいてやりきっていき、きちんと目に見える成果として示していかなければ、託してくれた期待は大きな失望に変わってしまう。だからこそ、大勝した民主党の責務は大きい。「勝ったこと」に浮かれていてはいけないと思う。民主党議員の国政に対する、信条・願い・得意分野・やりたいことの順位など、小さいことも含めさまざまな違いはあるであろうし、またそれは当たり前のことでもある。しかし、民主党が掲げた「暮らしが第一」とした政策の実行にむけて、“多くの小異は捨てて大同に立つ”気概で真に挙党一致で全力をあげて取り組んでほしい。

 そして、私たち連合も、応援団として大きな責任を感じるところだ。私たちの願う“労働を中心とした福祉型社会をつくる”という政策実現にむけ、民主党が確実に着実に動いてくれるための後押しができる「政策提言力」をつけていくために、これまた全員一丸となって努力をしていかなければならない。

 山を動かした有権者の思いに沿い、本当に社会をチェンジしていく力を発揮していかねばならない時だ。