pagetop

5−1.子ども教育施策

(1)子どもの権利に関する条例の制定

(大阪府への要請項目には含まず、条例制定されていない市町村にのみ盛り込む項目)
(制定済みの市町村:箕面市・池田市・東大阪市・大東市・堺市)

 1994年5月に日本も批准した国連の「子どもの権利条約」は、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められたものであり、日本においてもその生存、発達、保護、参加という包括的な権利を実現・確保していかなければならない。

 大阪府内の各市町村でも、児童虐待やさまざまな搾取から子どもの権利を守るために「子どもの権利条約」の理念を踏まえた「子どもの権利に関する条例」を制定すること。

(2)子育て環境の整備

 大阪府および府内各市町村の努力により、保育所の待機児童数は減少傾向にある。しかし、保育所待機児童解消および保育サービスの量的拡大にむけて、さらなる取り組みの強化を求める。保育の実施主体である市町村に対するサポート、特に財政支援を行うこと。

 また、ニーズが高いにも関わらず、整備が遅れている病児保育については、大阪府内の市町村ごとに少なくとも1ヵ所の設置を実現すること。

 さらに、学童保育施設についても、児童の利便と安全を考慮のうえ、小学校区に最低1ヵ所の設置が実現するよう大阪府としても独自の補助金制度の創設を検討するなど、取り組みを強化し、学童保育の待機児童を解消すること。

(3)子育て支援関連施設の労働環境の改善

 利用者のニーズが多様化している保育現場において、延長保育、一時保育、休日保育などに対応するため、保育現場で働く保育士の負担は増大している。保育ニーズの充足および保育の質を維持するためにも、また雇用対策の一環としても、大阪府内の保育施設で保育士の配置数を増やせるよう、独自の予算措置による保育人材雇用支援事業を大阪府として実施すること。特に、保育所の新規開設時の前倒し雇用や育児休業、退職にともなう引き継ぎ雇用のための人件費助成制度、保育士人材育成のための助成金制度などの創設を求める。

(4)大阪府育英会奨学金制度の維持

 大阪府財政構造改革プラン(案)において、大阪府育英会奨学金制度の見直しが示されている。特に入学資金貸付については、「国と地方の役割分担を踏まえ、高校等入学資金の貸付への重点化を検討」とされており、大学等入学資金の貸付を縮小・廃止する方向となっている。しかし、「大学等入学資金貸付」の申込者数は例年4千人(2010年度は4,304人)と多数であり、制度変更が及ぼす影響はきわめて大きいといえる。子どもたちが経済的な不安なく、希望する進路を実現できるよう、拙速な制度変更を行わないことを求める。

(5)労働教育・社会教育の推進

 すべての教育課程において子どもの成長段階に応じ、働くことの意義を学び、勤労観・職業観を育むための職業(キャリア)教育やものづくり教育を充実させること。特に、インターンシップや民間企業での人材育成の取り組みとも連携したプログラムを実施するなど、実践的な手法を取り入れること。

 また、男女平等教育、人権教育、参政権や生存権、社会システム、環境教育など、自立した社会人を育成するための社会教育の充実を図ること。