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あるべき社会像の発信が重要

2017年10月20日 (第24回執行委員会)
連合大阪 会長 山﨑 弦一

 選挙対策への取り組みに敬意を表し感謝申し上げます。
本日、執行委員会ということで、もう来週の金曜日、27日には大会が控えております。女性の参加率向上にむけてのお願いもさせていただいておりますが、大会の成功へむけて、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 この選挙を通じて感じている一番の課題は、「中長期的にこの国の将来の社会像をどうしていくのか」、という議論が一向に深まらないことだ。目先の政策のみに終始している。少子高齢化が問題だと言われているが、これはもう20〜30年前から予測がされていた。場当たり的な政策ではなく、問題の本質を見つめて手を打ってこなかったことが、今の状況を招いている。フランスなどは、実効的なさまざまな政策を打って出生率を改善し、成果をあげている。

 労働者派遣法ができたのも31年前で、今日まで規制緩和が続けられ、今、非正規で働く人が4割に達しようとしている。これも同一労働同一賃金という難しい話ではなく、非正規をやめれば解決できる問題である。日本の労働市場をどう考えるかという根本の課題が議論されていない。

 雇用形態の違いによる格差と同時に、金融経済と実体経済との落差が格差を生んでいる。このままの労働政策や経済政策、いわゆるアベノミクスを進めれば格差が固定化され社会が分断されることは火を見るよりも明らかである。実体経済をどう動かすのかという議論が必要だろう。さらには、保育、介護に携わる人が少ない、給料が安いという問題も、もっと国が前面に出てやるべきことである。

 今一度、これからの社会像をしっかり議論し、そこに向かってどういう政策を考えていくのか、単発ではなくパッケージで考え、優先順位をつけて実行していくことが求められる。

 今回の選挙では、保守、リベラルということが語られた。安倍さん自身が「人づくり革命」なんて言葉をつかう。厳密にいうと、どっちがどっちかわからない。労働組合として、あるべき姿、求める姿を発信していくことが重要ではないかと改めて考えている。