pagetop

2016年度 大阪市立大学・連合大阪寄付講座

ケーススタディ②
大阪の中小企業・モノづくりの現場の課題と労働組合の取組み

日時 講師
2016年11月14日 狩谷道生氏(JAM大阪 教育全国オルグ)

講義のねらい

 大阪は、中小企業の街、そしてモノづくり産業の街でもある。多くの中小製造業の労働組合が結集する「JAM大阪」における労働条件向上や技能伝承の取り組み、さらには労働組合として経営を分析し、対策を講ずることの重要性等を述べる。

講義内容要約

狩谷道生氏

狩谷道生氏

 日本の産業において中小企業は全企業数の99.7%、従業員数の70%、付加価値額の53%を占める。中小企業に存在する労働組合が圧倒的多数を占め、その企業は機械金属関連の下請け企業が多い。中小企業問題とは、中小の生産した付加価値が取引上の優越的地位により寡占大企業に吸収されること、原材料等の購入価格切り上げ、製品等の販売価格切り下げ、支払い引き延ばし、販売後の値引き要求、協力金の要求等々である。「曖昧な発注、無限の要求」という不合理で従属的な契約で不公正な取引慣行が根底にある。

 JAMは、企業間の競争から労働条件の引き下げを防ぐことに取り組み、中小企業労働者の社会的地位の向上に努めている。さらに未組織労働者の組織化、ものづくり基盤の強化と公正取引の実現を目指して運動を進めている。

講座を終えて

 受講者から「大企業から中小企業への不公正取引はなぜ行われるのか」の質問があり、「あいまいな発注と無限の要求」という実態にあることを説明された。

講座一覧に戻る